GoogleがドイツのBMW社サイトの検索結果を「サイトに不正」として削除

2006年02月08日 08:30

インターネットイメージ[このリンク先のページ(Cnn.co.jpなど)は掲載が終了しています]によれば、インターネット検索大手のアメリカ・グーグルが2月6日、不正な検索結果を表示していたとして、ドイツの自動車大手会社【BMWのドイツ語サイト】の検索結果を削除すると述べた。これに対してBMW社側は「不正はしていない」と反論している。

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記事によればグーグルの広報担当者の話として、「(ドイツBMW社のサイトの検索結果を削除した理由について)個別の理由を述べることはしないが、当社はユーザーに適切な検索結果を提供するため、不正な検索結果が表示されるようなサイトの作り方を容認することはできない」としている。

ドイツBMW社は、「ドアウェイ・ページ」という手法を用い、「新車」や「中古車」といった検索キーワードで同社のサイトが検索結果の上位に表示されるようにしていた。この「ドアウェイ・ページ」というのは、簡単に説明すると「各キーワードに特化した入り口ページをさまざまなドメイン上で作り、アクセスを集中させたいサイトへ強制的に移動させる」というもの。BMW社の例なら「新車」で上位検索されるような入り口ページと「中古車」でのページをそれぞれ別ドメインで作り、そのページにアクセスすると強制的にドイツBMW社の公式サイトに誘導する。この手法を用いることで、複数のキーワードで検索したユーザーを自分のサイトに誘導できるようになる。

もっと分かりやすく例えると、外食店のモールで入り口に「一流の洋風レストラン」「パスタが一番美味しいお店」「ピザならどこにも負けません」「とびきりのオムライスのお店」など、別々の宣伝文句や看板が掲示されている入り口がずらりと並んでいて、いざ入ってみると実はすべての入り口が一つの店につながっていた、という感じだ。

「はじめから自分のサイトでそれらのキーワードに特化したページを作れば」と思うだろうが、色々なキーワードを同一ページに盛り込むと、必然的にそれぞれのキーワードの「頻度」「重要度」は下がってしまうため、来訪されにくくなってしまう(検索エンジン側では「このページに入っている○×というキーワードの比率は低いから、あまり重要視されていないな。それでは上位に表示させなくとも良いや」と判断してしまう)。だから、自社に関係があると思われるキーワードごとに「とにかく読み手を引き付けるページ(ドアページ)」を作り、そこから自分のサイトに誘導させることになる。

サイトの作り手からすれば親切心として、あるいは一人でも多くサイトに集客するためなどさまざまな思惑がある。だが検索エンジンの運営側や利用者から見ると、好ましくない誘導とも受け止められる。このような行為は対検索エンジンスパムとして、もし実行しているのが見つかれば今件のように検索エンジンから登録内容を抹消させられることもある。

グーグルの措置に対してBMW側は、「ドアウェイ・ページはすでに削除した」「ドアウェイ・ページは、ユーザーを適切なページに誘導するために設置していたもので、不正とは考えられない」と反論しているが、逆に考えればドアウェイ・ページの設置そのものは認めたことになる。グーグルが公的機関でない以上、不正かどうかはBMW側ではなくグーグル側が判断するのだから、仕方ないだろう。

BMW側の主張を是としてグーグルが認めれば、他の会社サイトも同じようなことをしてしまい、検索エンジンの実用性が無くなってしまうだろう。それを避けるがための今回のグーグルの判断は、正しいものといえるのではないだろうか。

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