ライブドア(4753)事件、堀江容疑者本人が粉飾を指示するメール押収さる

2006年02月06日 08:55

株式イメージ【共同通信】の報によると一連のライブドア(4753)グループによる証券取引法違反事件で、前社長の堀江貴文容疑者が、関連会社のバリュークリックジャパン(現ライブドアマーケティング(4759))の粉飾決算工作に協力するよう、社内担当者に指示するメールを出し、このメールが東京地検特捜部に押収されていることが明らかになった。

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記事によるとメールはライブドアのメディア事業本部責任者あてで、2004年度第2四半期の決算について「バリュー社の赤字を黒字にするよう協力してはどうか」という内容だったという。このメールが送信されたのは決算がしめられた後の2004年7月であるので、「もっと頑張って業績を上げろ」という意味ではなく「決算の偽装をして黒字にしろ」という意図である可能性が高い。

このメールを受けた責任者は、社長から粉飾をしろと指示を受けたとし、架空の業務を発注、バリュー社もこれに基づいて利益を計上した。そして決算発表では「1年ぶりに営業利益と経常収益が黒字転換した」と偽りの発表を行ったことになる。

メールによる指示が証拠として採用されるか否かだが、メールはそもそもテキストデータなのでいくらでもコピー・捏造できる可能性を否定できない。恐らくライブドア側はそのあたり(例えば「罪を軽減しようとした受け手側が捏造した」などと)も主張することだろう。だが、日常茶飯事的に使われているサーバーから取得したり、多数の受け手から同様のメールを押収することで(司法を含めた第三者に説明する際に)その信憑性を高めることは可能だ。また、ライブドアグループでは稟議書や社内書類の大部分をペーパレス化しており、その点でもメールによる証拠としての価値の意味は認められることだろう。

株価がつりあがるように舞台となる企業を買収して見せかけの情報を流して市場から資金を吸い取り、中継地点をいくつも設けて資金の流れを分かりづらくし、懐に収めると共に会社規模を大きく見せ、さらに多額の資金調達を行う。やり口は過去に何度となく行われてきた比較的オーソドックスな経済犯罪なのだが、その手法にIT技術を巧み(?)に用いるあたり、今風なものとして注目を集めているのだろう。

またそのIT技術を利用したがためなのか、規模がかなり大きな事件であるにも関わらず、当事者の犯罪意識が希薄で、学芸会や文化祭、サークル活動の延長のような雰囲気すら感じられるのは何も自分だけではあるまい。

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