ファイザーの注射なしの糖尿病用インシュリン、欧米で認可を受ける

2006年01月29日 12:30

【Mainichi INTERACTIVE】などによると【アメリカ食品医療品局(FDA)】は1月27日、アメリカの医薬品大手【ファイザー】の吸引式インシュリン「エクスベラ(Exubera)」の発売を認可した(【FDA発表リリース、英語】)。すでに欧州委員会も26日に認可済み。注射をせずに体内に入れられるインシュリン製剤は世界初で、糖尿病患者の治療の選択肢を広げる手段として注目を集めている。なおアメリカでは今年半ばまでに販売が開始される見通し。

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エクスベラは遺伝子組み換え技術で製造されたヒトのインシュリンの粉末。携帯に便利な眼鏡ケース大の専用吸入器を使い、口から吸い込み、肺を経由して投与するスタイルを採る。報道で紹介された使用方法では、粉末が入ったカートリッジを容器に差込み、その上で吸引をする方法が用いられていた。

ただしすべての糖尿病患者が用いるインシュリン注射の代用になるわけではなく、病状によっては使えない、あるいは注射と併用する必要がある。また、肺から吸引するため、喫煙者、あるいは喘息や気管支炎など気管支系の病状を持つ人にも利用はできないとFDAの発表では語られている。

一日に何回も注射をする必要がある糖尿病患者には、注射をすること自身が苦痛だし、注射ができない環境における難儀さは例えようのないものがある。痛さの軽減についてはすでに針を極限まで細くすることで実現した【岡野工業(wikipedia)】の「痛くない注射針」で解決しつつある。だが今件の吸引器エクスベラは針を嫌う子供たちや、例えば先のアメリカにおけるカトリーナ台風など自然災害など注射環境が整備できない緊急時における糖尿病患者へのサポート用品として、非常に役立つことだろう。

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