金融庁と法務省、株式分割のさらなる規制強化を見送り

2006年01月27日 12:10

[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、ライブドア(4753)グループによる証券取引法違反事件をきっかけに問題提議された大幅な株式分割について、【法務省】【金融庁】は1月26日、この規制強化の考えを見送る方向で検討に入った。すでに【東京証券取引所】が大幅な株式の分割自粛要請を行っているのと、さらなる規制の強化は「株式市場の活力を奪いかねない」と判断したため。

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記事によれば東京証券取引所ではすでに2005年3月、株式分割を行う際には一回あたり五分割以内にとどめるように上場企業に求めている(【大幅な株式分割の実施に際してのお願い】)。さらに去年までは分割の実施後実際に子株が売買できるようになるには株券の印刷の関係などから50日前後の期間を必要としていたが(この期間、株式の流通量が減るので値がつりあがる傾向があり、上記事件に悪用された)、今年に入ってからは分割翌日から売買が可能となっている。つまり「分割による株価つり上げ」という錬金術は事実上封印されたわけだ。

さらに平成21年には株券そのものの不発行制度の導入が決まっており、これも今回の規制強化の取りやめの一因としている。金融庁でも「株式分割自体は投資家を市場に呼び込むもので決して『悪』ではない。あまりにも規制を重くすると市場が沈滞してしまう」という意見があるという。だが一方で自民党内からは相変わらず、規制強化を叫ぶ声が相次いでいる。

先の「錬金術」は分割そのものよりも分割直後と子株還流の間のタイムラグによって生じる株式の極端な流通量の減少を利用したもので、タイムラグがほぼ無くなった現在では、「五分割以内」というお上のお達しもある以上、さらなる規制は必要ないと思われる。ただ例えば「連鎖反応的に次々に分割を繰り返すのは規制の対象外か」というような、裏技的なやり方をしてくる企業が今後皆無であるという保証はない。逐次「抜け穴を埋める」検討を重ねると共に、スキをつかれた際にも柔軟に対処できるような体制作りが必要になるだろう。

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