ベイズ理論

2006年01月19日 12:10

数学の論理の一つで、最近になって急速に注目されたものに「ベイズ理論」というものがある。主要検索エンジンであるGoogleやマイクロソフト、インテルなどもその理論に重点を置き、活用しているという話は耳にしたことがあるだろう。

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ベイズ理論とはトーマス・ベイズによって確立された確率論で、「神の存在を方程式で説明できる」という主張の元に成り立つものだ。ではそのベイズ理論とはどういうものなのか。簡単にまとめると「未来を推測するには過去を振り返らなければならない」というもの。つまり「未来の出来事はその事象の過去の発生頻度を求めることで計算・予想できる」「過去に起きた事象の発生頻度(確率)から未来の出来事の発生頻度(確率)を予測する」。もっと簡単に一言でまとめれば「未来は過去の経験則で推し量れる」ということになる。

一つの事象に対してその結果があらかじめ用意されているいくつかの選択肢のうちの一つである場合、単純に見ればある特定の選択肢が選ばれる可能性は等分化される。

例えば3頭の犬A・B・Cを競争させた場合、ある犬Aがトップでゴールする可能性は1/3。ところがここにさまざまな面から考察を加え過去から現在までのデータを加味すると、より精度の高い予想が可能となる。例えば「犬Aは過去10回の競争ですべてビリケツでゴールしている」「犬Bは犬Aと一緒に走った際には常に犬Aより速くゴールしている」「犬Cは速い犬の血統だ」「犬AとBは水が苦手で雨が降ると足が遅くなる」などなど。これら多数のパラメータからデータを分析して、単純な確率論を超えた精度を見出そうとするのがベイズ理論とされている。

この理論は身近な例で挙げると、プロ野球の選手のドラフトやスパムメール対策で用いられている(【参照:「ニフティ、迷惑メール対策にベイズ理論を採用」:Japan.Internet.com】)。後者では、スパムメールとそうでないメールについて、他種のパラメータから検証を加えスパム傾向をチェックし、それを元に新しいルールを構築してフィルタリングに活用する。そして利用ユーザーが着信(あるいはスパム)メールに「これはスパムである(あるいは無い)」と判断を下すと、そのパターンを各パラメータに当てはめていき、傾向に付加させ、より精度が高まるよう学習していくことになる。

例を挙げると「[無料]あなたのハートを鷲づかみ[無料]」というタイトルのメールが着信し、それをスパムメールとユーザーが判断したチェックした場合、(フィルターでそのような設定がなされていれば)「無料という言葉とハートという言葉がタイトルにあればそれをスパムと見なす」「無料という言葉が2度以上登場すればそれをスパムと見なす」というフィルターに経験を1プラスすることになる。

要は、一部のロールプレイングゲームで採用されている「特定のスキルを多用するとそのスキルがレベルアップし、高度化・精密化する」というものだと思えば良い。過去データを網羅して常に適正だったアイテムの推奨を参照し経験の蓄積をしていくアマゾンの「オススメ商品」の提示も、これと類似した理論を用いているということになる。

ベイズ理論の面白いところは、その理論を用いた時点で生まれ出た結果もそのフィルタ・公式に反映され、次回の利用の際に影響を及ぼすということだ。先の犬のレースの件なら、レースの際に雨が降って犬Cがトップでゴールした場合、次回に同じような条件でどの犬が勝つかを考察する際には「犬Cは速い犬の血統だ(から犬Cも速いだろう)」「犬AとBは水が苦手で雨が降ると足が遅くなる(ので雨が降りそうな時には良い成績は望めない)」というパラメータがプラスされ、より可能性が高まることになる。

まったく同じ条件で事象が何度も繰り返すような状況はあまり見られないが、それでもパラメータを多数導入することでさまざまな過去データを反映させることが可能となり、推測(少なくともその裏づけ)ができるようになる。

前置きがかなり長くなったが、このベイズ理論、株価変動の予想にも利用できないかと考えるようになった。突発的な事象、例えば突然の不渡りや大事故の発生などには対応すべくもないが(あるいはそれも過去データを参照して「その可能性」というパラメータを設けることで対応可能かもしれない)、テクニカル・ファンダメンタル・SRI・投資家の心理状況などとさまざまなパラメータを設定することで、確率の高い予想は可能になるのではないか。

もちろん、不確定要素で左右されることの多い、ぶれの多い・出来高の小さい銘柄よりも、取引が活発な出来高の大きい銘柄を対象にした方が精度は高いものができるだろう(仕手系の銘柄はそれ専用の考察が必要になる)。また、どのようなパラメータを設定する必要があるのか、多数のデータの検証や的確な発想も必要だろうし、場合によってはその銘柄(会社)に精通している必要がある。物理学者による大統一理論への追求と同じように、その確立は極めて困難であるといわざるを得ない。

とはいえ、ある程度の絞込みをすれば、それなりに面白い結果を出せそうな気がするのは自分だけだろうか。もちろん単にベイズ理論だけでなく、不確定性原理の考え方や、ネット上での情報伝達の特性も加味した上での話しだが。

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