またまた(中略)楽天証券で大規模障害発生

2006年01月16日 19:10

昨年から相次ぐシステム障害で取引が不可能になるなどのトラブルが続き、同業他社からは「インフラを提供するサイドとしての自覚が足りない」と名指しで警告を受けるなど不祥事が相次ぐ楽天(4755)の証券会社『楽天証券』で本日1月16日、またもや大規模な障害が発生した。楽天は昨年のシステム障害多発に際し11月16日には【金融庁】から「証券業に係る電子情報処理組織の管理が十分でないと認められる状況」に該当するとして業務改善命令を受けていたいただけに、今回の障害は責が大きそうである。

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今回の障害は寄り付き前からログインができなくなるというもの。他証券では緊急回避用としてモバイル版からのトレードなら可能、という場合が多々あるが今件はそれも不可能。同社から提供されているオリジナルトレードシステム「マーケット・スピード」からなら注文はできたという話だが、ほとんどの人には救いにはならなかった。結局公式発表では9時55分に復旧したということだが、原因はルーターの不具合にあったもよう(『WEBおよびモバイルなどからのログインについて』)。

『1月実施予定のシステム増強計画について』にもあるとおり、今回の障害は直前の1月13日から15日にかけてはサーバの大幅増強が行われており、この際の不具合によるものと思われる。詳細な原因は調査中とのことだが、ルーターの不具合ならば増強直後に稼動試験をすれば確認できる可能性は高かったはずだ。うかつにも増強後に十分な試験をせずに本番導入したのでは、と疑われても仕方あるまい。

また、今件では当然のことながらコールセンターへは大変つながりにくい状態が続き、電話での代替注文すらかなわず、売り買いのタイミングを逃して少なからぬ損害をこうむった人もいるもようである。おそらくは約款でこのような事態でも楽天証券側に損害を補填する義務はないよう規定されているのだろう。だがジェイコム(2462)株式の誤発注問題では【東証】のシステム不具合が一因だったということで【みずほ証券】の責が多少軽減されたこともある(損失そのものは補填されなかったが)。今件においても「楽天証券側の不具合で損失が発生したのだから何らかの形で補填しろ」という意見が個人投資家らから出てもおかしくはないだろう。

今件で金融庁からの通達はまだないが、動きがあってもおかしくはないだろう。先の『楽天市場』でのポイント騒動ではインターネット通販の信頼性そのものを揺るがしかねない対応をした直後だけに、今度はインターネット証券会社(証券取引)全体の信用を損ないかねない楽天の姿勢には、厳しい対処が必要であると思わざるを得ない。かつての三木谷社長の言にあるような「お金儲けができるからネット証券会社を買収して運営します」という考えで今回のような不祥事を繰り返すのでは、正直他のネット専業証券会社に対して失礼に他ならない。


(最終更新:2013/09/04)

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