【更新】「地震の無い国の建物のようだ」偽装マンション調査結果

2006年01月08日 16:00

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によると姉歯秀次元一級建築士による耐震構造計算書偽装が判明した建物の一つ、神奈川県にある「グランドステージ藤沢」に、レーダー検索やエックス線検査による非破壊検査に立ち会った一級建築士川村大樹氏らは当マンションを指し、「まるで地震のない国の建物」と、その設計のずさんさを表現した。

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記事によると調査をしたマンションの最下層階にある駐車場では、コンクリート柱の中に従来6本以上入っていなければならないはずの鉄筋が3、4本しかなく、スカスカだという感じだったとのこと。駐車場の中央部にある柱だけは鉄筋が7本入っており、「マンションの自重で壊れないよう、この柱だけには(鉄筋を)ちゃんと入れざるを得なかったんでしょうね」と川村建築士は推測。姉歯氏が、ミスやものの弾みで偽装工作をしたのではなく、綿密に、意図的に偽装をしていたことがうかがえた。

さらにマンションでは鉄筋の間引き以外にもひび割れなどが目立ち、その理由として

(1)コンクリートの乾燥収縮
(2)鉄筋量の不足
(3)工期を急いだため仕上げ後に入ったひびの補修をし損なった
(4)コンクリートに必要以上に水が加えられた


などをあげている。そして川村建築士は「地震が起きることを無視した設計だ」とする一方、「普通のマンションを建てている工事関係者なら、『こんなのでいいのか』と疑問を持ったのではないか」とこのような事態に、関係者に対する不信感をあらわにしている。

(1)はともかく(2)から(4)、特に(4)は経費の中抜きのためによく行われていると言われる原因でもあり、それが事実だとすれば、言語道断といえよう。

このような設計を(たとえ自白によるところの「半ば強要されて」としても)行った姉歯元建築士はもちろん、工法を推し進めてマージンを吸い上げるシステムを構築しておきながらそ知らぬふりを通し続ける[総合経営研究所]、そしてごく普通のプロ精神を持つなら容易に見抜けるはずの危険な手抜きを(半ば意図的に、といわれても仕方が無い)見逃した建設業者や検査機関は、しかるべき賠償の義務と処罰を受けて当然といえるだろう。

一部では国や地方公共団体が救済すべきであるとの声もあるが、まずはこれら「責任を果たすべき者、団体ら」にしっかりと責を負わせる、あるいはそれを法的に確定すべきである。そうでないと絶対に、彼らへの責がうやむやになってしまうからだ。

なお加害者らによるサイトでは一部掲載ページなどにおける隠ぺい工作が行われているようだ。だが、百歩譲って冊子ならともかく、新聞や多数出回った雑誌などは必ずどこかに残っているものだし、ましてやネット上に公開されたものなら私的・公的機関をあわせ、キャッシュデータが必ず保存されている。ネット時代においては過去における悪事を隠ぺいすることはかなわないと知っておくべきだろう。

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