ワシントン条約事務局、キャビア取引を当面禁止へ(追記記事あり)

2006年01月05日 08:30

サメイメージチョウザメ類が絶滅の恐れがあるとしてキャビアを食べるのをひかえようという運動が起きていることは【先に報じたとおり(新年のお祝いにキャビアを食べないで、と環境団体が呼びかけ)】だが、野生生物の国際取引を規制する【ワシントン条約の事務局】は1月3日、このキャビアの取引を当面禁止すると発表した(【参照記事:Mainichi INTERACTIVE】)。すでにチョウザメ類は規制対象になっているが、今回事態が悪化したとしてキャビアそのものが取引禁止対象になった。

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今件には、事務局側がイランやロシアなどキャビア生産国の輸出割当量の調整に失敗したことが原因。調整がつくまでの間、取引中止措置が取られた。事務局側では「各国の輸出申請量がチョウザメ類の生育数減少を正確に反映していない」と批判している。また、正規の取引量の五倍もの額が闇市場で出回っているという。

世界の三大珍味として名を連ねるキャビアだが、それだけに高値で売れるため、密漁のリスクを負ってでも割があうのが密漁が横行する最大の原因に他ならない。また、国家レベルでも外貨獲得のために必要不可欠な資源でありながら「どうせ絶滅するとしても自分の関与している間は大丈夫だろう」という思惑がうかがいしれる。

リスクに見合ったリターンが期待できないよう、値段が下がれば良いのだが、規制で流通量が少なくなればなるほど単価が上がり、密漁をますます増長させる原因となってしまう。頭の痛い問題であろう。

人造イクラのように、安価で味がほぼ同じ、原材料も安全で容易に手に入るような「もどき食品」が開発されればよいのだが。


追記記事:
コメントでも情報が寄せられたが、すでにキャビアの「もどき食品」は存在するようである(味が酷似しているかどうかは不明)。また、日本国内でも養殖によるキャビア生産の試みが続けられているという話もある【参考記事:フードビジネス情報】。そう悲観するような話ばかりでもなさそうだ。もっとも一部の人にとっては「高価な」キャビアを求めることこそが重要なのかもしれないが……。

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