【更新】教員にもIT技術必須の時代へ。IT指導力評価基準を策定し処遇へも反映

2006年01月07日 09:00

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によると【文部科学省】は2006年度から教員のIT(情報技術)指導力を評価する基準を策定するという。同省の調査で、パソコンを使った教育指導ができる教員は約7割にのぼるとされるが、その一方で、どの程度の指導力があるのか調査では(自己申告調査であるため)実態が不明確なためだという。基準に従って判定したIT指導力を処遇にも反映、さらに優れた教員はIT指導教員として学校現場に配置するよう各自治体にも要請するとのこと。

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政府では2006年度から新たなIT戦略をスタートさせる方針。それに従い文部科学省でも教員のIT指導力アップによって、子供たちの情報活用能力の向上を目指すという。

新たに策定する基準では、IT指導力のあるなしを見極めるよう、小中高校などの学校段落別、さらに教科別に設定を行う。記事では例として「理科では火山が噴火した際に溶岩が流れ出るようすをパソコンのアニメーションなどで視野的に解説できるかどうか」「体育では跳び箱を飛べた子と失敗した子の動画を比較して、両者の違いを教えられるかどうか」を挙げている。

ITスキルを教員の評価対象に加えること、教育プロセスで役立てるよう配慮すること自体は評価できる。だが文部科学省の「基準」そのものが少しピントがずれているような気もしてならない。

技術はあくまでも手段であって目的ではない。「こういうことができる」という具体例を挙げてそれが出来る出来ないで評価してしまうと、猫も杓子もその手法のみを再現しようとしてしまうのではないか。例えるのなら入試試験であらかじめ「この公式が出る」と事前に告知して受験生にその公式だけを覚えさせ、合格しその学校に入ってからも、その公式しか使わずに他の手法を考察しない偏った考えを持ってしまう、という感じだ。

あくまでも手段・道具・技術としての「IT技術・スキル」を判断するには、もっと別の方法があるのではないだろうか。

そしてもちろん、これらの技術を実際の事業に活かすには、それなりの予算も必要となる。先の「跳び箱」の例なら、動画録画が出来るデジタルビデオレコーダー、それを再生しうるパソコン端末、編集を行うための動画編集ソフトが「最低限」必要になる。それらすべてを教員の自腹で用意しろ、というのではあまりにも酷すぎる。おそらくはこういう「スキル以外の制限」も、教員のIT化促進を妨げる一因に違いない。そういう面への配慮も必要となるはずだ。

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