『スターウォーズギャラクシーズ』システム大規模変更で古参プレイヤー激減

2005年12月17日 12:15

スターウォーズギャラクシーズイメージ【Hot Wired Japan】によると、多人数同時参加型オンラインゲーム『スターウォーズギャラクシーズ(Satr Wars Galaxies)』のシステムの大幅変更で、同ゲームにおける古参プレイヤーが多数脱会するという事態が起きているという。いわく、「ゲームの面白さが台無しになったうえ、何年もかけてキャラクターを育ててきたことが無意味になった」とのこと。

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スターウォーズギャラクシーズイメージ記事ではニューカマー、つまり新しいプレイヤーを呼び込むために導入した「ニュー・ゲーム・エンハンスメンツ」のおかげで、ゲームのシステムが簡単になりすぎ、これまでの苦労や努力が水の泡になったという。具体的には30以上存在しニッチ市場を開拓できた職業が9種類まで減らされ、これまでごく少数のプレイヤーだけが獲得できた「ジェダイ」の職業に誰もがつけるようになった。さらにゲーム全体の流れも、戦略的なものからスピード感のあるアクション的な戦闘システムが導入されたとのこと。

さらにスワースモア大学のティモシー・バーク準教授の談「こうしたゲームの大半は費やした労力が報われるというモデルの上に成り立っている」「多くの時間を費やせば、キャラクターの力が変わり成長する。だから、1年半もの時間をかけて積み上げてきたものが2週間後にすべて無駄になると言われれば、なかなか受け入れられない人もいるはずだ」を取り上げ、古参プレイヤーの不満の一因を表している。

さらに『スターウォーズギャラクシーズ(Satr Wars Galaxies)』の最新拡張版が発売された直後に「ニュー・ゲーム・エンハンスメンツ」を導入し、その拡張版で約束されていたキャラクタの階級上昇を台無しにしてしまったことが古参プレイヤーの反発を買っている。例えるのなら「大浴場、混浴、滝が流れるお風呂、ラジウム温泉など今後好きな温泉にどれでも入れますよ」と約束して公共浴場のパスポートを販売しておきながら、数日後に一般の温泉以外を閉鎖してしまったようなものだ。記事では希望者から最新拡張版の返金に応じているとしているが、そのような問題では済まされるはずもない。

オンラインゲームがボランティアでなくビジネスとして運営されている以上、金銭的な絡みからさまざまな思惑がゲーム上に反映されることは多々あること。例えば『ウルティマ オンライン』の続編にあたる『Ultima Worlds Online: Origin』(【参照:UWNN】)も、開発半ばまで進行していたものの、株主からの突き上げによる経営陣の決定でプロジェクトは白紙撤回されてしまった(これがきっかけでロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオット氏がウルティマ関係のプロジェクトから外れたのは有名な話)。

また、その『ウルティマ オンライン』でも新規加入者へのアプローチを目的に、さまざまなシステム変更が行われ、その内容に古参プレイヤーが多数脱会している事象も何度か起きている。幸いにも『ウルティマ オンライン』では、ゲームの世界情勢そのものや運営自体を脅かすほどの脱会騒ぎにはなっておらず、また新規加入者がその穴埋めをしている。それも「それなりの変更」で抑えているからという分析もある。

日本ではすでに、管理運営をしている【エレクトロニック・アーツ】が来年3月を目処に国内での管理運営を終了する旨決定している(【参考記事:『スター・ウォーズ ギャラクシーズ』日本国内でのサービス2006年3月で終了】)。終了の理由は特に説明されていないが、ここからも今回のような出来事の前兆をうかがい知ることができる。

オンラインゲームの運営は、ビジネスにおける顧客への接し方に大きなヒントを得ることができると共に、基本中の基本でもある。すなわち、新規顧客の獲得を常に模索しながら、同時に既存顧客のロイヤリティ(顧客満足度、企業への傾倒度)を高めねばならない。特に後者においては注意深く配慮することにより、その顧客が口コミで新たな顧客を呼び寄せるという「バイラル・マーケティング」的な効果も期待できる。

今回の事象は、新規顧客の獲得に焦るあまり、この「基本」を軽視したがゆえの結果といえるだろう。


(最終更新:2013/09/19)

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