みずほ証券のジェイコム誤発注問題で連想したもの……映画紹介『マネートレーダ/銀行崩壊』

2005年12月14日 04:35

『マネートレーダ/銀行崩壊』イメージみずほ証券によるジェイコム(2462)株式の誤発注問題。今のところ損失は400億円前後と目算されているが、この額は中小の独立系証券会社なら軽く一撃で吹き飛ぶレベルのものである。(発表がすべて事実であったとして)キー入力のわずかなミスが取り返しようもない損失を引き起こし、それを取り戻そうとして泥沼にはまっていく……。そんな情景を思い出させてくれるのがこの『マネートレーダ/銀行崩壊』。

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『マネートレーダ/銀行崩壊』イメージ1990年代に実際に発生した名門銀行が一人のトレーダーによる先物の不正取引によって潰されてしまうという、イギリス・ベアリングス銀行事件※。その「犯人」であるニック・リーソンの獄中からの手記を映画化した金融サスペンス。

数値によってのみ表現される「キャッシュ」の魔力と、現実の「現金」の、人間の心の中でのボタンの掛け違い。それが少しずつ拡大し、しまいには先物取引の失敗によって自分だけでなく銀行そのものを破滅に追いやってしまう恐ろしさが表現されている。

もちろん事件当事者の手記を元にした映画なので、多分に当事者側を美化した可能性は十分にある。映画が放映された1999年と比べて現在ではかなりトレードの状況も異なっている。だがそれらを差し引いても、ふとしたミスが取り返しのつかない、奈落の底への片道切符を導きかねないこの世界の恐ろしさを身にしみて感じさせるものはある。


※ベアリングス銀行事件:1763年に創業した世界最古ともいわれ、女王陛下の投資銀行とまで称えられた名門のイギリス・ベアリングズ(Barings Bank)銀行。その銀行が、28歳の先物トレーダー、ニック・リーソン(Nick Leeson)が出した損失8億6000万ポンド(1380億円)で破綻してしまった事件。

(最終更新:2013/09/19)

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