【更新】「ホテル建設は総研主導」「偽装は一目で分かるレベル」参考人質疑で語られる

2005年12月08日 07:00

[YOMIURI ONLINE]などによると耐震強度偽装問題の件で12月7日に行われた衆議院国土交通委員会の参考人質疑で、ホテル建設は[総合経営研究所内河健所長が主導し、設計段階で鉄筋量などをも指示していたことが委員によって指摘された。なおこの日の委員会で内河健氏と姉歯秀次一級建築士は「体調不良」などの理由で欠席している。

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記事によると委員の一人、民主党の馬淵澄夫氏は偽装が判明している「サンホテル奈良」の建築の際に内河社長がホテル建設を提案したこと、専門誌のインタビューなどで「自分が細かい数値の部分まで計算して設計指示をしている」などと答えていたことなどを指摘、内河氏が主導的・細部に渡るまで指示をしたことを指摘した。なお先の記者会見で内河氏は「自分は技術より指導であり、構造計算までは考えてもいなかった」という発言をしており、今回指摘された記事内容とは明らかに矛盾している。

また、関連する検査機関などが「偽装にはまったく気がつかなかった」とする件で、今件の偽装を指摘したアトラス設計の渡辺朋幸代表も参考人として出席。その中で、日本ERIに対して「他でもやっていたら大変なことになる。調べてみてはどうか」と提案したものの、日本ERI側は「単なる計算ミスだと思っていた。偽装の認識がなく、上層部にも報告があがってこなかった」と現場担当の認識不足を強調した。

とはいえ、アトラス設計の渡辺氏によれば、「偽装の仕方は改ざんした書類は作為的で悪意を感じた」「一目で分かる」レベルのものであり、それを仮にも上場企業である日本ERI側が単なる計算ミスとして偽装認識が無いとして済ますのは、首を傾げたくなるのも不思議ではない。それが一件だけならともかく、同様の偽装レベルの案件がこれまでだけでも(日本ERIだけでなく他の調査機関もあわせれば)何十件も発覚している。それらすべてについてそれぞれの会社が「分からなかった」「担当の認識不足」などというのなら、

(1)本当に偽装と気がついていないならば検査会社・設計会社らの能力や資格を疑われるレベルの問題、業務怠慢
(2)現場担当レベルだけでことを済ませていたから云々というのなら、監督責任問題
(3)もし偽装を認識した上で「何らかの理由」で目をつむっていたのなら、義務不履行としての問題


となるわけで、どちらにしても責任を回避することはできそうにない。

なお「体調不良」を理由として内河健氏と姉歯秀次一級建築士が欠席した件につき、特に後者は二度目の欠席ということもあり、各委員からは「社会正義に対する重大な挑戦である」などと批難が殺到。民主党などは両氏の他、木村建設の木村盛好社長と篠塚明東京支店長を議院証言法に基づく証人喚問を行うべく申請をした。

参考人と違い、議院証言法による証人喚問においては、正当な理由無しに出席を拒否することができず、虚偽の証言をすれば罰則を科せられるなど、法的拘束力がある。テストや運動会がイヤでズル休みをする小学生ではないのだから、「体調不良」などと称して休むな、ということだろう。

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