スペイン前首相が対テロ防衛で日本の"NATO"参加を希望

2005年12月29日 08:30

対テロ行動イメージ【Mainichi INTERACTIVE】によると、スペインの前首相アスナール氏は12月27日のイタリア紙メッサジェロで、北大西洋条約機構(NATO)をテロとの戦いに活用し、日本などに「門戸を開くべきだ」との考えを表明した。日本などが何らかの形でNATOに参加することが望ましいという見解のようだ。

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アスナール氏は記事の中で「NATOは対テロ防衛で非常に重要な役割を果たすことができる」とすると共に、「テロは世界の脅威なのだから、民主主義国家でありテロと戦う意思と能力を持つ日本やオーストラリア、イスラエルに対してNATOは門戸を開くべきだ」と訴えたという。

元々対共産圏、特に旧ソビエト連邦(現ロシアなど)に対抗するためにヨーロッパにおける資本主義国家の軍事的連合体として誕生したNATOだが、現在はEU(ヨーロッパ共同体)の軍事的組織としての役割が強い。世界構造が資本主義社会対社会主義という二極対立から、正規政府対テロ組織・反政府グループといったカオス的抗争に移りつつある現在、対テロ防衛の面で主導権を握っているアメリカの独壇場にさせるわけにはいかないというヨーロッパの目論見も分からなくはない。今回のアスナール氏の発言も、それゆえのものなのだろう。

だがやはり、あくまでも「北大西洋」条約機構であるNATOに、百歩譲ってイスラエルは良いとしても、(オブザーバー的な立場での参加ならともかく)オーストラリアや日本も参加するというのは少々おかしな話のような気がする。

このようなとき、本来ならば世界縦断的な組織である国連を活用すべきなのだが、その国連が対テロ活動では今ひとつ及び腰なことを考えると、ヨーロッパ側の「あせり」も分からなくはない。ジェームス・ボンドのような超人的スタッフがMI6に何人もいれば話は別なのだが(苦笑)。

もっとも、ジェームス・ボンドは冗談にしても、EU加盟国の各国には以前から優秀な対テロ組織が数多く存在する。それらを統合したNATOとは別の(あるいは下部組織である程度独立性を持った)セクションを作っても良いような気はする。

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