シノケン(8909)、福岡銀行(8326)から構造建築書偽装問題対策で25億円の融資確保

2005年12月08日 08:00

姉歯建築士らによる耐震強度偽装問題で、マンション建築主のひとつであるシノケン(8909)は12月7日、マンションの買戻しや解体費の資金として、福岡銀行(8326)から25億円の融資を受けることとなった件を発表した(【発表リリース、PDF】)

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リリースによれば現在シノケン関連の物件では5棟がすでに偽装発覚が判明し解体を決定、2棟について現在も調査中。これらの物件の買い戻しや解体などに必要な資金として約29億円を計上、今回決定した25億円の融資のほか、シノケン自社の定期預金解約などを含めた自己資金調達分4億円で対応するという。

責任のなすり合いや矛盾に満ちた発言、「体調不良」と称する参考人招致への欠席など、建設業界の体質の「一面」を実感させ「素晴らしい」体裁を次々に関係者が見せてくれる今回の偽装問題。それらの問題の中で、少なくともシノケンの物件については金銭的な問題はほぼクリアされた(裏づけができた)ということになる。シノケンの対応の素早さと誠実さに、わずかだがこの業界に対する希望の光が見えた気がする。

財務体質的には多額の借入により、シノケンの財務面での「柱」は細くなるかもしれない。だが誠実な対応を続けそれを社是とすれば、もっと太い、たくさんの「柱」を得て、財務面だけでなく、会社そのものを強くたくましくすることができるに違いない。

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