曹操孟徳が主人公の三国志「蒼天航路」最終回を迎える

2005年11月14日 03:10

「蒼天航路」イメージ古代中国の国取り物語として日本でも有名な「三国志」を描いた漫画の中では異色の、曹操孟徳を主人公にした『蒼天航路』が先週発売の週刊モーニング誌(講談社)掲載分で最終回を迎えた。週刊誌に掲載された歴史漫画ものとしては11年という異例の長期連載に幕が下ろされただけに、感慨深いものがある。

スポンサードリンク

日本でも「三国志」は横山光輝の漫画長編「三国志」吉川英治氏の歴史小説「三国志」>、人形劇、そしてコーエーのシミュレーションゲームシリーズ『三國志』などで多くの人に知られている内容だが、そのほとんどが原作通り、蜀の劉備玄徳にスポットライトを当てたもの。董卓や孫一族、袁紹をはじめ数多くの群雄は登場するものの、劉備が主人公として話が展開していくことに変わりは無い。

特に曹操孟徳は半官びいきされている劉備らと敵対したところもあり、能力的には長けているが半ば以上悪役扱いされた描写がほとんど。そんななか『蒼天航路』はこれまでの「三国志」作品の傾向とは異なり、曹操孟徳を主役として見据え、その現実主義的な考え方を中心に、彼を取り巻くさまざまな人々を描写しながら三国志の時代を描ききった。

さすがに終盤にかけてはストーリーに多少ぶれが生じ、劉備やその部下らに視点が移る雰囲気も一部はあったが、原作がそもそもそうなのだから仕方が無い。それよりも、ページから今にも飛び出して来そうな力強いタッチの筆遣いと生き生きとした登場人物らの生き様を巧みに描いた技術が連載中途切れることなく続いたことだけでも賞賛に値する。

歴史はすべての人にとって事実であるが、その中の人それぞれに別個の真実が存在する。そしてそれぞれが素晴らしいドラマになりうる。『蒼天航路』はそれを再確認させてくれた作品としても評価できるだろう。

さて次はどのような歴史大河漫画を見せてくれるのだろうか。ジンギスカンかな?


(最終更新:2013/09/20)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ