何のための健康? 寒天や豆乳などメディアが産む健康ブームと食情報

2005年11月12日 20:00

寒天イメージ【asahi.com】において、健康関連の食品ブームと、それを形作るメディアについてのレポートが掲載されていた。曰く、消費者が注目する番組などで「○×が健康に良い」とテレビを中心に報じられると、一斉にその食材に買い向い、ブームが形作られる。だがそれらを食べ続けて、本当に健康になりましたか、ブームが「過ぎ去って」しまうのはなぜですか、というものだ。

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具体例としてはいまだ記憶に新しい「寒天ブーム」。単なる健康アイテムではなく、ダイエットに効果的だと報じられたことから、主婦層に爆発的に広まり、どの店からも寒天という寒天が消えた。寒天販売の大御所である【かんてんぱぱ】ではアクセスが殺到して通販ページをしばらくの間閉鎖せざるを得なくなったほどだ。

記事では「ブームの作り手、担い手」ともいえる番組制作サイドの話として、視聴者の関心や学説の変化があるので同じテーマを何度でも取り上げられる、と健康ブーム関連の番組形成のメリットをあげている。

最近では「解毒」を意味する「デトックス」がひそかに流行りつつあるようだ。これは添加物を使わない粗食による食生活の形成をはじめ、運動やメンタル面での調整などもあわせ、現代生活によって生じた毒により蝕まれつつある体内から毒を取り除き、すっきりした自然体=健康体になろうというものだ。

実際【Googleで検索してみると】約200万件ものページが該当。当方は先日はじめてこの言葉を耳に、「デトックス、解毒だって? 毒消し草とか使えばいいじゃないか」とゲームに例えて小莫迦にしたのだが、想像していた以上に浸透しつつあるようで驚きと反省。

とはいえ色々調べてみると、自分が現在別ブログで展開中の療養生活の体験を元にした【ダイエット手法】、特に精神面において共通する部分があることに興味をそそられた。要は「物理的・精神的に健康体・自然体になるのはどうしたら良いのか」ということへの回答をさまざまな手法で求めていくことなのだろう。

デトックスについてあるテレビ番組では、必至に食生活を質素健全自然食的なものにし、朝も早くからヨガなどの運動を行い、その他さまざまな努力を重ねたが、結局ごく普通の生活をして精神的に安定している夫より健康状態を示すパラメータの結果が悪かった妻の話が紹介されていた。正直、笑えない。

個人的には上記のような結果になったのは、食事や運動など、自分のごく普通にある生活リズムを無理やり変えて「健康になろう」と身体に強要したゆえのものだと考えている。心意気はほめるべきなのだが、自分の体の自然治癒力をあまりにも信用しなさすぎる。そして、「健康になるために色々なことを強要したためにおきるストレスが、かえって身体にネガティブな結果をもたらす」ということなのだろう。

デトックスを例に挙げてみたが、「~が健康に悪い」という流れよりは「~は健康にイイ!」という構成の方が雰囲気としても視聴者の受けもいいのは理解できる。ウソ偽りややらせでない限り、そのような番組をはじめとする情報の配信は特に問題とはならない。むしろ、提供される情報にただ流されたり踊らされることなく、情報を「自分が考える材料」としてとらえ、自分のものにする力(メディアリテラシー、とは少々違うかもしれないが似たようなものだろう)が必要なのだろう。

そして、一番大切なのは、本当の意味で「自然体」でいること。そしてその自然体を維持するのに必要なのは「安定した精神(小難しいのなら「安心だ、幸せだと思う心」)」。健康になりたいのなら、「必至」になってストレスをためることなどかえってマイナス。できる範囲で、できることから少しずつ。それが一番。

余談だが、当方は元々寒天が好きだったのに加え、退院後は諸般の事情(ダイエットのためでなく)で寒天を積極的に食すようになった。今回の寒天ブームでは品切れ続きでエラいとばっちりを受けた一人である(苦笑)。

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