宇宙空間にメッセージをと近畿大教授らがビジネス化構想。だがデブリ問題は?

2005年11月09日 02:00

宇宙空間イメージ【asahi.com】で、【近畿大学】の河島島信・宇宙工学教授が「人工衛星から宇宙空間にメッセージカードを放出し、その映像を中継する」というビジネスを構想していることが報じられた。「安価に宇宙気分を味わえる」のがセールスポイントだという。

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構想では小型衛星に5センチ×10センチの紙のカードにメッセージを書き込んで宇宙空間に放出。ただよう様子を衛星のビデオカメラで中継・録画するという。オーダーがあるたびに打ち上げていたのではキリが無いので、あらかじめ大量の用紙と記述用の機械を衛星内に搭載し、地上からの通信でメッセージを書き込んでいくという仕組み。

教授らの想定では、「カードは太陽や大気圏突入時の熱で、2から3か月で消滅する」としている。

……と権威ある教授の想定だから恐らくは大丈夫、なのかもしれない。が、宇宙開発を推し進める立場にある第一人者が、たとえビジネスになりうる、言葉は悪いが「金になる」としても、現代ですら問題視されているデブリ(宇宙空間、特に大気圏に漂うゴミ。たとえネジ一本でもスピードが極めて速いので、宇宙船に重大なダメージを与える可能性がある)や環境問題(ごく普通のスペースシャトルや宇宙ロケットを打ち上げるだけでも有害な物質を撒き散らしている)を悪化させるようなことを提言するとはいかがなものだろうか。

特にデブリの問題はきわめて深刻で、以前からその解決法などが模索されているが有効な、抜本的な打開策は見つかっていない。例えば『プラネテス』などでは「デブリ屋」と呼ばれる人たちが機械や人の手で「デブリ」を苦労しながら回収するという原始的な手法を採っている。また『まっすぐ天へ』では強固な素材で軌道エレベーターを作り、それに「デブリを捕獲する網」の代わりをさせるというアイディアを採用している。だがこれらもまだ漫画の世界の話でしかなく、実際に取り入れられたわけではない。今後問題視される話だけに、今のうちから案を練っておかねばならないのは間違いないのだが。

どうせならシャトルなり静止衛星に液晶でもつけて、そこに映像を映し出してそのようすを披露するなり、ホログラムの仕組みを使うなど、「ゴミを出さない」仕組みを考えた方がよい、と思うのは素人考えなのだろうか。


(最終更新:2013/09/20)

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