耐震強度偽造問題でシノケン(8909)が都内の2棟解体を記者会見で発表

2005年11月22日 19:00

設計図イメージ【NIKKEI NeT】によると姉歯建設設計事務所が構造計算書を偽造し耐震性の低いマンションなどが建築されてしまった問題で、マンション4棟建設に関連するシノケン(8909)の篠原英明社長は11月22日記者会見を行った。その記者会見の中で篠原社長は、震度5強程度の地震で倒壊の恐れがある東京都内の2棟について、年内にも解体作業に着手すること、および残り2棟も同程度の地震で倒壊などの可能性があると発表した。

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解体予定のマンション2棟にはあわせて60世帯の住民が入居しているが、すでにシノケンでは退去要請を進めている。さらに退去住民には管理会社が新居探しを斡旋、新居が見つかるまでの諸経費はシノケン側が負担するとしている。また残り2棟についても調査の内容次第で補修工事で済ませるか解体・建て直しを決めるとのこと。

また、シノケンの公式サイトでは同社対応の見解が記者会見を受けて22日付けで更新(【お知らせページ】)、独自調査を続けていることと、今後の対応について明らかにしている。

気になる業績についての分析だが、昨日の記者会見ではすでに上記「お知らせページ」で公開されているとおり、「8棟で最大15億円の損失」が生じる可能性があるとしている。そしてその額について篠原社長は「経営の屋台骨がぐらつく問題ではない」と断じている。

もっともこの「最大15億円」は、取り壊したり建てなおした4棟が再分譲でき、22億円の収入が発生した場合の計算。さまざまな状況を鑑みると、もう少し割り引いて計算する必要もあり、実際には20億円前後の損失になるのではないかと思われる。

今件でシノケンはもちろん、他の上場建設関連会社にも厳しい目が向けられている。誠実な対応が求められることだろう。

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