【更新】三井住友銀行(8316)、リスクの高い金融商品を顧客に購入強要の疑い

2005年11月27日 13:00

悪代官の必需品、黄金色のお菓子イメージ[YOMIURI ONLINE]などによると公正取引委員会が[三井住友銀行(8316)]に対し、同銀行が顧客の中小企業などに取引上の優越的地位を利用してリスクの高い金融商品を販売していたとして、不公正な取引方法に該当するとし独占禁止法違反の容疑で是正措置を踏み切る見解であることが11月26日までに明らかになった。大手銀行に対しては異例の措置とのこと。

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問題となった販売は数十件にのぼり、具体的には「金利スワップ」と呼ばれる金融商品を購入させていたという。三井住友銀行は融資を求めてきた中小企業の経営者に対して「これ(金融商品である金利スワップ)を買わないと融資をしない」と示唆しながら購入を迫ったケースも多くあったという。さらに融資額より額の大きい金融商品を買わせたり、融資期間より長い契約期間の金融商品を買わせるなど、非合理的で理不尽な内容もあったとのこと。

江戸時代の「お代官様」もびっくりするような「素晴らしい」営業方策だが、もちろんこれらの行為は独占禁止法上禁止されているだけでなく、倫理的に問題があることは言うまでもない。三井住友銀行では経営理念として

「お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する」
「事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る」


ということだが、実際には後者はともかく前者については

「お客さまに、より一層(三井住友銀行にとって)価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する(のは大義名分としてお客などいくらでも沸いてくるから、菜種油のようにしぼりとって自分らだけが発展すればそれでオッケー)」


ということなのだろうか。

実際のところ、不良債権処理の過程で収益力の向上が重要課題とされていたわけで、きついノルマを課せられた各支店が暴走したのでは……とコメントするつもりだったのだが、記事では「本店が全国の営業部に、融資先への金利スワップの販売強化を指示していたという」とあった。

本店の指示、ということは支店の独走ではなく、三井住友銀行全体の意志ということになる。

よほどの経験者か知識のある者、優秀なアドバイザーがいないとまともに運用することすら難しい金融商品のひとつである金利スワップを、よりによって恐らくは金利スワップはおろか外国為替、株式投資すらしたことがないであろう中小企業の経営者に半ば脅迫の形で買わせるとは言語道断に他ならない。

こんなことでは「メガバンクだなんだと社会的な価値や貢献を主張ところで、やっていることは金貸し以外の何物でもない」といわれても否定はできないのではないだろうか。

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