吉野家(9861)、店舗を「従来型」と定食提供型の「新型」に二分の方向へ

2005年10月18日 12:15

「牛焼肉丼」「牛鉄鍋膳」イメージ牛丼チェーン大手で知名度がもっとも高いであろう吉野家(9861)の安部社長は10月17日、現在約1000店舗ある国内店を3000店舗に急拡大すると共に、店舗のタイプを牛丼中心の「従来型」と、定食などを提供する「新型」の二種類に分ける方針を明らかにした(『参照記事:時事通信』)。年内にも再開されると噂されている米国産牛肉の輸入に備えると共に、現状の守勢体制から一挙に大攻勢に出るもようである。

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吉野家は米国産牛肉のBSE関連による輸入停止により材料の牛肉が入手困難となり、牛丼販売を停止。業績は横ばいを続けていた。同社の大黒柱的存在である牛丼が不在の間、「牛焼肉定食」「牛鉄鍋膳」など代替牛肉によるメニューの導入や「豚丼」など牛肉以外の肉を使った新主軸メニューの導入で牛丼の穴をサポート。安部社長曰く「家族連れや女性の来店頻度が高まり、年齢層も幅広くなった」という。

安部社長は店舗形態の新展開について、従来型と新型の外観は別のものにし、一目で違いが分かるようにするという方針を打ち出している。

主業務に積極的なのは喜ぶべきことではあるが、今回発表された方針は、あくまでも米国産牛肉の輸入再開がなされたという前提の話。もし再開が延期されたり、再開されても吉野家にとって量的に満足のいかない量でしかなかった場合、計画の修正を迫られることになる。

また、仮に輸入が再開されたとしても、米国産牛肉の安全性については論議が続けられることだろう。吉野家にしてみれば、引き続き難しい舵取りを続けさせられることに違いはない。


(最終更新:2013/08/29)

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