10ピクセル四方の場所、100ドルで売ります……イギリスの学生が億万長者に

2005年10月12日 19:00

The Million Dollar Homepageイメージ【Sky News】が報じたところによれば、イギリスの大学生が「自分のサイトの表示画面を土地の分譲のように区分けして売る」という【ビジネスサイト「The Million Dollar Homepage」】を立ち上げ、一ヶ月で15万ポンド(日本円で約3,000万円)の売上を上げた。彼曰く「自分のサイトに興味を持つ人がいるのなら、自分の販売している区分は価値を持っているんだ(I knew that if I could get some interest out there and get people looking at the site then the pixels I was selling would have value)」。これだけの売上をあげた彼はこうも語っている。「ある程度はうまくいくと思っていたけど、こんなに大きなセールスになるとは思わなかったよ(I thought it would work to a degree but not to the degree that it has)」。

スポンサードリンク

彼は自分のサイトを10×10ピクセルで等分した1万のエリアに分割。それを1エリアあたり100ドルで販売した※。広告主は多く買えば買うほど表示できる(=アピールできる)エリアが大きくなる。もちろんクリッカブルバナーとしての掲載も可能。なお表示期限は「少なくとも5年間」とある。

実際の彼のサイトを見てもらえればお分かりの通り、ごく普通の四角いバナーエリアを確保した広告主はもちろん、階段状にバナーを置いてみたり、1エリア単位のバナーをあちこちにちりばめてみたりと、広告主側でもさまざまな工夫が試みられている。見ている側も単なる広告の閲覧以上の楽しさを味わうことができる。まるでショーケース一杯に散りばめられたさまざまな玩具を眺めるような雰囲気だ。

彼の発想が成功を収めたのは、既存の技術やビジネススタイルをベースとしながらも「管理側も広告主も閲覧側も皆、簡単に理解できること」「既存の媒体をベースとしながら新しい『驚き』を提供できたこと」にある。まったくの零からスタートするよりも発想法としては効率的だ。また、独自のアイディアということで、多くの人がこのサイトを閲覧しに来たのも成功のポイント。アイディアによって広告自体が貴重で閲覧価値のあるコンテンツに生まれ変わったのだ。

かつて日本でも、ゲームのようなバーチャルワールドを作ってその中に商エリアを設け、広告主に区画を販売、広告主は買った区画で実際の商売を行うというビジネスモデルを構築した会社があった。だがシステム部分のツメが甘く、ユーザーアビリティも考慮していなかったのですぐに廃れてしまった。

一方、似たようなコンセプトでも「バーチャルワールド」を作らずにサイトエリアの分売をし、ショッピングモールをネット上に構築して一般の人の閲覧ハードを低くした『楽天』のビジネスモデルは大成功を収めている。

いかにハードルを低くして多く人に試してもらえるか。そのための発想がビジネス成功のためのキーポイントとなる好例といえよう。しばらくの間、似たようなサイトが(日本を含め)登場するに違いない。

……Garbagenews.comでも、右上部分の空いている広告バナー部分を切り売りしてみますか? 234×60ピクセルほど空いているので、10×10ピクセルを24×6エリアという形で。1エリア(100ピクセル)・1ヶ月あたり10ドルでどうでしょう?(苦笑)

※記事原文では「each square costs $1 to buy」(1エリアあたり1ドル)とあるが、当該当サイトの説明によれば「Each 10x10 block costs US$100, equating to a cost of $1 per pixel」(10×10ピクセルのブロックは100ドル、つまり1ピクセルあたり1ドルです)とある。


(最終更新:2013/09/04)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ