『WoW』で実社会同様に疫病が蔓延。想定外の広まり

2005年09月29日 08:23

『WoW』イメージ【HOTWIRED JAPAN】が報じたところによれば、米ブリザード社で人気の多人数同時参加型ネットワークゲーム【『ワールド・オブ・ウォークラフト(WoW)』】において、プレイヤーたちにとっては謎の疫病が発生し流行、次々にプレイヤーキャラクタが倒れていくというイベントが発生した。システム側でも想定していなかった事態に発展し、ネットワークゲームにおける仮想社会の実情を映し出した珍しい「事件」として話題になっている。

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これはシステム側が高レベルのプレイヤーへの試練として用意した「仕組み」の一つがもたらした事件。新ダンジョンの最終ボスが投げかけた高ダメージを受ける呪文が、その戦闘に参加して呪文を受けたプレイヤーに疫病のごとく感染。そのプレイヤーが町に戻ると、周囲にいた他のプレイヤーに次々と感染・発病して広まっていったという。

始末の悪いことに『WoW』には、遠くのエリアを行き来するアイテムが存在する。感染したプレイヤーが発病する前にこのアイテムを用いて他のエリアに移動することで、「疫病」はあっという間に世界中に広まり、いくつもの町が大きな被害を受けたという。高レベルのプレイヤーならともかく、初心者や中級者レベルだと発病によるダメージで即死してしまう可能性もある。

想定外の影響の大きさに驚いたシステム側は当初、疫病が発生した地域を隔離したが上記の「移動アイテム」による状況の拡散をとどめることは出来ず、最終的に「疫病」を治癒する「呪文」を用意、なんとか沈静化したとのこと。

記事によれば、「(ゲームなどのネットワークにおける)仮想世界で感染が広まったケースはかつて例がない。(中略)さまざまな生命体がそうしてきたように、進化して自己増殖の道を探ったとさえ言えるかもしれない」としている。

似たような例では、『ウルティマ オンライン』において当初不当な手法で入手された「真黒に衣服を染める塗料」が、普通の塗料の桶にコピーさせることで数日のうちに世界中に広まり、結局その存在を黙認、その後正式なアイテムとしてプレゼント対象にもなったという出来事があった。この場合も上記の例同様に「瞬時に遠距離を移動できる手段」がこの世界に存在したため、浸透スピードは爆裂的に速かった。

伝達手段と到達すべき場所が存在すれば、情報は存続し続けたいという意図を持ち、進化しうる。「疫病」や「特殊なアイテム」に限らず、だ。思い返してみればこれらゲームの事象とて「情報」そのものではないか。記憶のメカニズムにしてもしかり。それを実証する意味でも、今回の事件は重要な意味を持っているのではないだろうか

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