内閣府は2011年6月7日、2011年版の「子ども・若者白書(旧青少年白書)」を発表した。主に若年層に関する公的調査を取りまとめ、多様な視点から現状を把握できる、有益なデータが豊富に盛り込まれた資料として注目に値する。今回はその中から、小中高校生における、携帯電話そのものと携帯電話を用いたインターネットの利用性向、そして利用上のルールに関する点を見て行くことにする(【平成23年版 子ども・若者白書】)。
まずは一番気になる携帯電話そのものの保有率、そして携帯電話というお手軽なツールを介したインターネットへのアクセス率。昨今の携帯電話ではその多くがインターネットへのアクセス機能を有しており、両者はほぼイコールとなる結果が出ている。

小学生では両者間にいくぶん開きがあるのは、保護者が防犯目的で持たせており、インターネットにアクセスできる機能は必要ないと判断する事例があるため。高校生はほぼ全員が携帯電話を持ち、それを使ってインターネットにアクセスしている計算になる。
一方、そのインターネットへのアクセス機能を用い、保護者の視点では「アクセスすることは好ましくない対象」に足を踏み入れてしまう事例は十分ありうる。成人向けコンテンツ、多額の費用を請求され得る有料コンテンツ、買い物系サイトなどが好例。そこで一定基準に基づき、それら「好ましくない対象」へのアクセスを防ぐ働きを示すソフト(機能)がフィルタリングソフト(機能)である。
このフィルタリングを用いている保護者は、小学生の子供で3/4、中学生では7割近く、高校生でも半数程度に達している。

警察庁が過去に発表した同様の調査結果でも似たような値が出ており、そこではさらに高学年ほど利用していない率が高いことについて(保護者が)「子供を信用しているから」「必要性を感じない」、そして「子供からつけないでと頼まれた」ことが上位にあがっている。

フィルタリングは主に保護者が子供に規制を強要するものだが、可能ならば子供自身が適切な判断をし、「好ましくないこと」を避けた方が都合が良い。フィルタリングには限界があり、善悪の判断が出来ない子供は、むしろ規制されている事柄に興味関心を抱くからだ。そこで子供達に携帯電話の利用マナーや取り決め、仕組みについて各種啓蒙・学習を行うことになる。
その啓蒙や学習の効果に関する実証結果が次のグラフ。

メモ用紙や口頭での伝言ゲームと異なり、チェーンメールは加速度的に影響を与え得る。どのような内容でも極力伝播を避けるべきだが、学習経験が無い子供は一様に判断を留保してしまう(善悪の判断がつかない、どちらにも転び得る)率が高くなる。また、学習経験がある場合は高学年ほど「してはいけない」率が高まるものの、学習経験が無いと高校ではかえって減ってしまうなど、啓蒙の大切さが改めて分かる結果となっている。
やや気になるのは、啓蒙・学習経験のあるなしに関わらず、高学年ほど「してもよい」「たいして悪いことではない」とする回答率が高まること。既に世間一般の社会常識をある程度習得している高校生だからこそ、あらためて携帯電話などの利用マナー・ルールに関して、徹底的な啓蒙が求めれているといえよう。
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