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2011年03月22日

20代後半世帯の過半数は「携帯電話のみ」…アメリカにおける携帯電話の世帯普及率推移をグラフ化してみる

2011年03月22日 06:20 | 解説・ニュース

先日アメリカの携帯電話事情に関するPewResearchCenterの調査結果として【スマートフォンまで含めた世帯普及率は90%・アメリカにおけるモバイル端末の保有・普及動向をグラフ化してみる】において、携帯電話普及率の高さについて解説した。その際、連動する話として【携帯電話だけ 米若者は4割】について触れたが、元資料には「若年層の携帯電話のみの保有率」について【アメリカ疾病対策予防センター(The U.S. Centers for Disease Control and Prevention、CDC)】の調査結果【Wireless Substitution: Early Release of Estimates From the National Health Interview Survey, January - June 2010】を挙げ、どこまで携帯電話が浸透しているかに関する公的機関の調査結果も参照するようにと勧めていた。今回はこのデータを基に、アメリカにおける携帯電話の普及率推移、及び「携帯電話のみの電話環境を持つ世帯」の割合についてグラフ化を試みることにした。

今調査は長年定期的に行われているものだが、回答者に対して保有電話番号の問い合わせと今後の電話による調査の確認を行い、了承が得られればそれ以降は電話による質問を行っている。また「世帯」とは同一住宅内で生活している人を指し、「親子による家族」だけでなく「一人身」もあれば、「ルームシェアによる複数人での同居」「同棲状態」なども単独世帯としてカウントされる。回答者はいずれの期間もランダムに選ばれた1万人以上。また、年齢階層や男女比など各種人口統計学上の傾向が統計結果に反映されている。

さてまずは、18歳以上の大人に答えてもらった「自分の所属する世帯では電話は携帯電話しかない」という人の割合。【レポートの一覧】を確認した上で、CDC上にデータが残っている一番古い2003年上半期時点では2.8%しかなかったのが、直近のデータである2010年上半期では24.9%にまで上昇している。多少の凸凹はあれど、ほぼ直線の右肩上がり。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、大人(18歳以上)による回答)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、大人(18歳以上)による回答)

一方、回答者を18歳未満の子供に限定すると、「携帯のみ」世帯率は多少ながらも上昇する。これは学生寮などに入り、一人暮らし、あるいはルームメイトと共に過ごす環境下におかれ、大人が同一住宅に居ない人が多分に含まれるからと思われる。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、子供(18歳未満)による回答)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、子供(18歳未満)による回答)

当然18歳以上の大人でも20代・30代では卒業・就職して一人暮らしをしている人が多分に存在し、それらの人たちによる「携帯のみ」率は高いはず。しかし「大人」区分では同時に高齢者における比率もまとめて計算に含まれているため、全体としては子供よりも低い値を示しているわけだ。

「それでは”大人区分”に含まれている、携帯電話のみ世帯率が多いであろう若年層の動向はどのような具合なのだろうか」という疑問が浮かぶ。これについてもレポートでは伝えており、それによると18~24歳・25~29歳双方の区分で大いに増加する傾向が確認できる。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、年齢階層別による回答、一部)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、年齢階層別による回答、一部)

特に25~29歳における上昇率は高く、直近の2010年上半期では該当階層世帯の「51.3%」が「自分の所属する世帯には携帯電話しか電話が無い」と答えている。この「過半数超え」という結果は、継続されている統計上でもターニングポイントとして特筆すべきもので、元資料でも

「どのような大人の年齢階層区分においても、携帯電話のみ世帯が固定電話保有世帯を上回ったのは、今回が初めてです。
(This is the first time that the number of adults in wireless-only households has exceeded the number of adults in landline households in any age range examined.)」

と言及している。また細かいデータとしては「ルームシェア(血縁関係にない成人の複数で構成される「世帯」)状態にある世帯では69.4%が携帯電話のみ」「収入が極めて低い人(39.3%)や低い人(32.9%)の世帯では、収入が高い人(21.7%)と比べて携帯電話のみの世帯率が高い」など、興味深い話も解説されている。

電話があくまでも通話を行うためのツールであるとするなら、それが固定であろうと携帯であろうと大きな問題は生じない。回線不良時や紛失時のリスク分散という考えからすれば双方を常備するのがベストだが、その「不測事態」が生じる可能性の低さを考えれば、固定電話の必要性が低下していることは否めない。

今件はあくまでもアメリカでの普及事情だが、日本でもそう変わらない状況になるのは時間の問題と思われる。ただし似たような調査を行っているのは、当方が知る限り総務省の情報通信白書のみ。そして「携帯電話のみ」の項目はやや母数が少なく、対象世帯についても今件調査のような細かい区分が無いのが残念。そろそろ携帯電話周りで本格的かつ大規模な継続調査を、日本でも公的機関が行う時期に来ていると思うのだが。


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【スマートフォンまで含めた世帯普及率は90%・アメリカにおけるモバイル端末の保有・普及動向をグラフ化してみる】
【携帯電話だけ 米若者は4割】

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