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2007年03月21日

診断結果で税金が安くなる・医療費控除の対象となる医療費、ならない医療費

投稿者 不破雷蔵 : 2007年03月21日 13:39 | カテゴリー [医療関係ニュース ]

ほとんどの読者は「学生で税金など消費税くらいしか気にしない」か「サラリーマンだから税金の計算は全部会社でやってくれる」という立場だろうが、中には自ら税金の計算をしている人もいるだろう。また、学生の大部分はともかく一部学生やサラリーマンでも、確定申告をしなければならない人や、した方が得をする(正確には損をしない)人もいる。確定申告の期限もようやく済んだということで、ここで一般知識として確定申告で重要にな要素の一つとなる「医療費控除」についてちょっとまとめておくことにしよう。

●医療費控除ってなぁに?

「医療費控除」とは医療費を控除する仕組み。そのまんまである。これでは説明の意味がない。要は「病気やけがなどでかかった医療費は税金の計算から除外してあげましょう」というものだ。詳しく解説すると「納税者本人及び家族のために支払った医療費について、その実質負担額の一部が所得控除が受けられ、所得税(国税)と住民税(地方税)の負担が軽くなる」というもの。

税金は元々入ってきたお金から、必要経費や各種控除(事情を考慮した上で「これに税金かけたら可愛そうだろう、しちゃいけないだろう」というもの)を引いた利益に対してかけられるので、控除額が増えれば増えるほど、税金は安くなる。

つまり仕組みを知っていてちゃんと申告すれば、とられすぎていた税金を取り戻すことができるのだ。だから最初に「した方が得をする(正確には損をしない)」と表現したわけ。

●医療費控除の計算式

医療費控除が受けられるかどうかの判断は次の通り

・年間所得金額が200万円以下……所得金額×5%以上
・    〃    を超える……年間10万円以上

この額を超えた場合、「これらの額を引いた分だけ」医療費控除が認められる。当方のように、病気持ちでない限りなかなか難しい話かもしれない。ただ、本人だけでなく家族もあわせてであるし、後ほど説明するように「医療費」の定義は多種多様に及ぶので、自分自身や家族に病気な人がいれば、該当する可能性は十分にある。

また、あくまでも「医療費の自己負担分」が控除されるのであり、例えば保険がおりて入院給付金などが支払われた場合、それらはちゃんと負担分から除外するよう計算に入れる必要がある。

医療費控除額=「一年間に支払った医療費」
         -「10万円(または所得の5%)」
         -「生保などからの給付金」

さらに医療費控除額は最高でも年間200万円。それ以上は控除されない。もっともしっかりと社会保険制度に加入していれば、一定額以上は医療費の負担が必要なくなる「高額療養費制度」も受けることができるので心配は要らない(こちらについては機会があればあらためて)。

●医療費控除の対象となるもの、ならないもの

入院費にお薬代、病気予防のためのビタミン剤など医療費と一まとめにくくることはできるが、それらがすべて医療費控除の対象になるわけではない。そんなことをしたら、ダイエットをしている人たちのダイエット食品まで医療費控除ということになり、えらい計算が必要になる。

税務署の担当の最終判断で微妙にさじ加減が違ってくることもあるが、医療費控除の対象となるもの、ならないものは次のように分けられる。

■治療や検査

[対象になる]
・医師に支払った診療費、治療費
・治療のためのマッサージ、はり、きゅうなど
・健康診断の費用(異常がみつかり、治療を受けることになった場合)
[対象にならない]
・医師などに支払う謝礼金
・成人病の定期検診や人間ドックの費用(異常なしの場合)
・ホクロの削除など美容整形費用
・予防注射の費用
・メガネやコンタクトのための眼科費用

興味深いのは健康診断の費用。結果として健康と分かれば医療費控除が受けられないが、治療が必要なら対象になる。健康増進と医療費削減のためには健康診断すべてに控除を広げるべきだと思うのだが、仕組みとしては「不健康だった場合、その状態の一連のプロセスと見なすから」という原則があるからのようだ。

■歯科

[対象になる]
・虫歯の治療費、金歯や義歯、入れ歯費用
・治療としての歯列矯正
[対象にならない]
・美容のための歯列矯正
・歯石除去のための費用

美容のための、はともかく歯石は虫歯になるのを防ぐためのもの。これが対象にならないというのも……やはり変な話。

■医薬品

[対象になる]
・医師の処方せんで薬局にて購入した医薬品
・けが、病気の治療のために、病院などにはいかずに薬局で購入した医薬品
[対象にならない]
疲労回復、健康増進、病気予防などのために購入した医薬品や漢方薬

要は直接の病気の治療のために使ったかどうか。また、疲労そのものは病気と認定されていないようだ。判断基準が難しい、というのもあるのだろう。それから漢方薬についてだが、最近では医者でも漢方薬を処方する部局・医者もいる。処方せんによるものはすべて医療費控除となる。

■通院や入院

[対象になる]
・入院時に提供される食事の費用
・通院や入院のための交通費
・電車やバスでの移動が困難なため乗ったタクシー代
[対象にならない]
・通院のための自家用車のガソリン代
・自己の都合で希望する特別室の差額ベット代など

恐らくはもっとも判断基準が難しい(かつ、必要な人はほとんどいないだろう)項目。食事費用も厳密にはどこまで控除対象となるか、という判断基準があいまいだし、差額ベット代(割り増し料金を支払うことで、大部屋から少人数部屋、個室に移してもらえる)も、病院都合や病状次第では控除対象となる場合もある。

■その他

[対象になる]
・寝たきり老人の紙おむつ代(医師の証明書が必要)
・クアハウスの利用料金( 〃 )
[対象にならない]
・通常使用のめがねやコンタクトレンズの購入費用
・老齢者の補聴器の購入費用

他にも出産に関する費用の一部も控除対象となるが、これについては省略。必要な人がいたら個別で受け付けるなり答えてくれるところをご紹介する。税務署で聞いてもよいだろう。


最後に注意してほしいのは、これらの医療費控除はあくまでも「課税所得が控除される」だけであり、「医療費そのものが返ってくる」わけではないこと。例えば医療費控除額が100万円なら100万円税金が返ってくるわけではなく、100万円分所得が少ないとして税金が計算されることになるだけの話。

それでも概算で、数十万単位で税金が減ることにはなる(100万円分の課税所得が減るから。累進課税などがあるので所得そのものの全体額によって「得をする」額は違ってくる)。会社任せのサラリーマンなら、還付金を受けることもできるだろう。

こういった税金絡みの話は特に、「知っていなくとも別に魂まではとられないが、実は損をしている。それに気がつかないだけ」「知っていればちょっと手間はかかるし費用もかかるかもしれないけど、それ以上に得をする(損をしていたのを取り戻すことができる)」ことが多い。

供与明細や自分が入っている保険の明細書に目を通す機会があれば、今一度少しだけ時間を割いて考えて見てもいいだろう。また、最低でも領収書はこまめに取っておく習慣だけでつけておこう。それだけで、随分とお金に対する考え方が変わってくるに違いない。

参考:医療保障ガイド(生命保険文化センター)

これらの書籍などが参考になります

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