2008年03月23日
生プラスチックを強力分解する酵母菌、イネの葉から発見される
【農業環境技術研究所】は3月10日、生分解性プラスチック(生プラ)を効率よく分解する酵母菌を、稲の葉の表面で見つけれる微生物から発見したことを明らかにした。さらにこの酵母は植物由来のポリ乳酸も分解するという。これまで分解制御が難しいとされていた生プラにおいて、分解促進技術の開発の基礎になるとして期待されている(【発表リリース】)。

稲の葉の酵母菌が生プラを効率よく分解していく
生分解性プラスチック(生プラ)は本来の「長期間そのままの形を維持する」というプラスチックの性質が、環境上問題となる分野において使用されるもの。時間の経過と共に微生物などによって最終的には水と二酸化炭素に分解される性質を持つ。素材としてはポリ乳酸やカゼイン、石油などがある。リサイクルなどに利用できないことや通常のプラスチックと比べると高価などの弱点もあるが、環境負担を減らす観点から色々な分野(買い物用ビニール袋やエアガンにおけるBB弾)に用いられている。
しかしこの生プラも、微生物の活動条件などの問題から湿度が低く低温の冬季にはほとんど分解が進まない。特に冬場は処理が間に合わず、プラスチックの山が出来上がることになる。生プラは農業用のマルチフィルムなどにも多用されているため、農業環境技術研究所でも分解促進の研究を進めていたところ、植物の葉っぱの表面が生プラの構造と似ている(脂肪酸ポリエステル構造)ことを発見。
そこで稲の葉の表面を探したところ、生プラの分解能力も高い酵母菌が生息しているのを見つけた。要は「葉っぱを分解して栄養源とする酵母菌なのだから、その葉っぱと(分子)構造が似ている生プラも分解してくれるのではないか」との発想からの発見ということ。
この酵母菌は農業用マルチフィルムなどに使われるポリブチレンサクシネート(PBS)やポリカプロラクトン(PCL)などの生プラを効率よく分解するだけでなく、常温では分解されにくい植物由来プラスチックであるポリ乳酸(PLA)ですらも、常温で分解できることが判明したという。さらにその酵母菌において生プラの分解酵素と遺伝子も判明した。
農業環境技術研究所ではこの酵母菌(微生物)や酵素についてさらに解析を進め、使用済みの生プラ製品を効率よく分解する新しい技術の開発を目指すとしている。
当方(不破)のような素人でも、「分子構造が似ているから、葉っぱに生息する微生物なら生プラにも効果があるだろう」という発想は突拍子もないことだと理解できる。しかし同時にそれが成果を生み出し、世の中に役立つ技術として確立されようとしているのが、とても素晴らしいであることも違いない。
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